リーンゲインズはじめました。

リーンゲインズという、一種のプチ断食を始めた。1日24時間中8時間の間に食事をして、16時間はカロリーをとらないで過ごす。女性は10時間食べて14時間断食でもよいとされている。ダイエット法として紹介されることもあるが私の場合、減量が目的ではない。自粛のストレスを理由に酒量が劇的に増えてきたこともあり、ここら辺で長年酷使してきた内臓を休め、とりあえず体調を整えたいと思った。

 

調べてみると、いい効果がたくさんあることが分かった。人の体はカロリーを取らなくなってから10時間ぐらい経つとグリコーゲンが不足してきて、蓄えている脂肪を分解し始める。へえ。減量目的ではないと書いたが、中年なりの余計な脂肪はついているので燃えてくれるのなら、そんなにうれしいことはない。免疫力UP。美肌。脳にも血管にもいい。内臓の働きが良くなるので、活性酸素の量が減ってアンチエイジング効果も絶大。14時間といっても半分は寝ている時間だ。「はい!はい!やります。」

 

というわけで2カ月が過ぎた。体重は微減だが、むくみが取れて体がスッキリしてきた気がする。そして、何よりよく眠れる。もう、それだけで幸せである。

 

だいぶ慣れてきて思うに「断食」という感じはなく、寝る前と起きてから3~4時間ほど食べないでやり過ごすだけだ。江戸時代以前は2食が当たり前だったと聞く、起きてひと仕事してから朝食、夕方早めに夕食。まさにリーンゲインズだ。庶民の食事が3度になったきっかけは、明暦の大火で復興のために江戸に集まった職人が、肉体労働だから「2食じゃな足りねえ! てやんでぃ!」と言ったかどうかは知らないが、昼を取るようになってからだと言う説がある。つまり家に引きこもって作業する運動量の少ない翻訳業の私は、3食きっちり食べる必要もないのだ。蛇足だが「家に帰るのも面倒でぃ!」というので江戸に屋台や飯屋が増えたのも、同じ時期だそうだ。

 

屋台や飯屋の皆さまには大変気の毒な話だが、今は幸いにも飲み会、食事会の誘いも全くないので、この新習慣にすんなり入ることができた。ちなみにアルコールもほぼ2カ月飲んでない。「ほぼ」というのは先週、同級生が亡くなり献杯でビールを1口だけ口にした。何年も会えていなかったが明るく気さくで元気印の大好きだった友の訃報に涙した。健康で元気に生きていかないといけないなと、この「新習慣」続行の決意を新たにしたところだ。誰もが自分なりのニューノーマルを探らざるを得ない昨今、

「これが私のニューノーマル」である。

 

 

お粗末さまでした。                                         令和2年7月13日