ありがとう。の反対語

数年前、当時それを知った時、目からウロコが落ちたはずなのに、すっかり忘れていた。2020年マインドフルネスを扱った映像の字幕翻訳を手掛けた折、それを思い出し、あらためて深く心に沁みわたった。コロナ禍だからこそ、はっとさせられる言葉だった。

 

「ありがたい」は「有り難い」、つまり「滅多にない」という意味だ。

 

だから「ありがたい」の反対は「当たり前」

 

2020年は誰もが、当たり前を失った年だったはずだ。今年は旅行などない、帰省もできない、飲み会も外食も一切なし。今後、どうなるのか不安ばかりが募っていった。友人や仲間と会えないから、「暑気払い」「忘年会」なんて言葉すら忘れてしまいそうだった。

 

しかし年末に近づいて、マインドフルネスについて仕事で調べる機会があり、自分でも瞑想などしてみたら、気づきがあり、心が満たされるようになった。そもそも私たちの身の回りには、当たり前なんてないのだ。ありがたいことで、あふれている。そう考えるようになった。たとえ会えなくてもLINEやFacebookで大切な人たちの活動や元気な姿を知ることができるだけで、ありがたい。年のせいか近年、体のあちこち痛い(苦笑)。とはいえ昨年は精神的に追い詰められていてツラい年末年始だったので、体の痛みを感じる余裕さえなかった。だから今年は体が痛いことすらも、ありがたいのだ。

 

不便は沢山あるし、不安もない訳ではないが、おかげさまで心は満たされている。

今年の漢字は「密」だというが、私にとっては「充」か「満」だ。

色々な意味で、2020年は「有り難い」年だった。

 

来年も感謝の気持ちを持って進みたい。

 

令和2年12月31日